名古屋市文化財のお寺の畳を修復|弟子と挑む畳職人の研修会

今日は弟子と一緒に、名古屋の畳屋さん達との畳の研修会。
名古屋市の文化財であるお寺の畳を修復する、貴重な一日です。

朝から「どう直すのが最適か」と畳談義が続き、ようやく本日決行となりました。

何十年も使われ、何度も直されてきた畳

この畳は昭和初期以前の古いもので、最初から全て手縫いでしっかりと作られた畳です。
何十年も使われ続け、その都度いろいろな畳屋さんに何度も直されながら、ここまで使い込まれてきました。

「ただ縫って直す」。言葉にすれば簡単ですが、この先さらに何十年と使用に耐えられる畳に仕立て直さなければいけません。
だからこそ、直す前の畳談義にもじっくり時間をかけるんです。

お寺の床で古い畳を囲み、修復方法を話し合う畳職人たち
名古屋市の文化財であるお寺にて。古い畳を囲んで、どう直すのが最適か職人みんなで畳談義です。

まずは土台(畳床)の締め直しから

と言っても、今日はまだ床の締め直し。畳の土台である「畳床(たたみどこ)」を補修する作業のみです。
それでも、一日では終わらない程度の進み具合でした。

長い年月でゆるんでしまった畳床に、糸を一本ずつ引き締めて、もう一度しっかりと腰を入れていきます。

作業台に載せた畳床に糸を張り、締め直しに取り組む弟子
弟子も畳床の締め直しに挑戦。糸をぐっと引き締めて、ゆるんだ土台に腰を入れていきます。

まぁ、あれです。
弟子以外は皆さん一級技能士という顔ぶれの中で、彼女はよく頑張ってくれたと思います。

会場で作業台に畳床を載せ、それぞれ締め直しを進める複数の畳職人
研修会の会場。職人それぞれが畳床と向き合い、黙々と締め直しを進めます。
名古屋の会場で、窓際に並んで畳床の修復作業をする職人たち
名古屋の会場にて。技術を持ち寄った職人さん達に囲まれての、ありがたい一日です。

古い畳の直し方を知ってから、新しい畳を作る

弟子はまだ畳職人としては新2年生。手縫いで新しい畳を仕立てた事もありません。
正直、新しい畳を作る方がよっぽど簡単です。

でもね、古い畳の直し方を知ってから、新しい畳を作る。
本来これが正しい順番で、畳の理(ことわり)を知ってから新しい畳を作るべきだと、僕は今日あらためて実感しました。

次の張替えや補修の事を考えずに、新しい畳をただ簡単に作る。
今さえ良ければいい作り方をしていては、本当の畳職人とは言えないなと、ホント思いました。

僕自身もまだまだ知らない事が多く、経験不足で、学ぶ事ばかりです。
こんな貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。

皆様、とりあえず今日はお疲れ様でございました。

この続きの修復の様子は、こちらの記事に書いています。