ネズミや白アリにかじられて、ボロボロになってしまった畳君。
普通なら「もう寿命かな」と諦めてしまいそうですよね。
でも、捨てるにはまだ早い。
今日は、そんなボロボロの畳を「床継ぎ(とこつぎ)」という方法で手直しした話を書きたいと思います。

そもそも「床継ぎ」って何?
畳って、表面のい草(畳表)の下に、土台となる分厚い芯材が入っているんです。
これを「畳床(たたみどこ)」と言います。

昔ながらの畳床は、藁(わら)を何層も重ねて作られた「藁床(わらどこ)」。
踏み心地が良くて長持ちする一方で、長い年月のうちにネズミや虫にかじられて、端が欠けたり凹んだりしてしまうことがあるんです。
「床継ぎ」は、その傷んだ畳床の一部に新しい材料を継ぎ足して、もう一度しっかりした土台に直す作業のこと。
畳の芯から手当てしてあげる、いわば畳の外科手術みたいなものですね。
凄腕職人さんの仕事を見た直後で、心がたぎっていた
実は今回、床継ぎをやろうと思ったのには理由がありまして。
先日、凄腕の職人さんの仕事を間近で見せてもらったばかりだったんです。
いや〜、あれはシビれました。
その余韻で心がたぎっているうちに、「よし、自分もやってみよう」と。

正直に言うと、床継ぎの正しいやり方を誰かに教わったわけではありません。
自分なりに「こうしたら強くなるかな」と考えながら、手を動かしてみました。
1時間かけて、次の表替えにも耐えられる土台に
結果、継ぐのに1時間ほどかかりました。

仕上がった畳床は、次の表替え(畳表を新しく張り替える工事)のときにも十分耐えられそうなくらい、しっかりした土台になってくれました。
我ながら、なかなかの出来です。
教わっていなくても、これまで畳と向き合ってきた経験と、「なんとかしてやりたい」という気持ちがあれば、ここまで直せるんだなと実感しました。
捨てるのは簡単。でも、直せる畳は直したい
ボロボロになった畳を見ると、新しく作り替えてしまった方が早いし楽です。
でも、まだ芯が生きている畳なら、手をかけて直してあげれば、まだまだ働いてくれる。
それを捨ててしまうのは、なんだかもったいないじゃないですか。
畳屋として、こういう「直す技術」も大切にしていきたいですね。
「うちの畳、もうダメかな…」と思っているものでも、見てみたら意外と直せることがあります。
気になる畳がありましたら、お気軽にお声かけください。