畳の研修会に行ってきました! vol.3 〜 畳表の未来を考える 〜

最終日は、早朝から視察ツアーです。

①畳表の織機整備工場と、糸問屋さんへ

正直、和室が減ったと言うより、畳の部屋をわざわざ作った(残した)と言えるこの時代。畳の価値が上がって、ウチは少数ながらも今まで以上に質の良い畳が売れているので、このまま品質重視の時代になって行けば良いと思っていました。

しかし、畳表の数が売れないと、縦糸を作る業者はお手上げ。織機の整備も同じく、部品やら何やらの数が出ないとやっていけない事を教えて頂きました。

畳表の織機や部品が並ぶ整備工場の内部
手袋をして織機の長い金属部品を整備する職人の手元
織機の部品を、一つひとつ手で整備していきます。
床に並ぶ、畳表の縦糸が巻かれた大きなロール
畳表に欠かせない縦糸。これだけの量が、こうして作られています。
縦糸がセットされた畳表の織機

②い草農家さんと、「ヒゲ」への挑戦

続いて、特注仕様で畳表を依頼している、い草農家さんを訪問。なかなか理解と対応が難しい問題ですが、如何に生産者さんの負担を減らして、且つ段取りの良い流通が出来ないかと、前からずっと考えていました。

結論から言えば、『高級品のヒゲを綺麗に短くする』です。ヒゲが短いと生産効率が上がって、積んだ時の畳表の反りが軽減され、運送コストも軽減されてゴミも減る。更には、ゴミになるはずのヒゲも商品になる。コレ、まだ試験段階ですが、ホント良いんです。

ちょっと補足
「ヒゲ」は、畳表の両端からはみ出したい草の先端のこと。い草は長いほど良質で、長ければ中央の質のいい部分だけを使って織れるんです。だから高級な畳表ほどい草が長く、ヒゲも長く出る。これが案外邪魔になるんです。本文の「高級品のヒゲを短くする」は、品質はそのままに、長いヒゲを整えてカットします。すると軽量化され流通の無駄もなくなり、作業効率や保管効率もあがります。更にはゴミも減って、切れ端も別の使い方が出来る!という挑戦なんです。ヒゲが短くなるだけで色々と改善されます。

白い縦糸が並ぶ畳表の織機の全体
織機でい草が織り込まれていく部分のアップ
い草が一本ずつ織り込まれて、畳表になっていきます。この時点で長いヒゲをざっくりと裁断します。

③ディスカッションとオークション

研修会場では、グランプリ覇者の平田君が畳を縫う隣で、畳業界の未来についてディスカッション。平田君は相変わらずストイックな職人です!ディスカッションでは、奇しくも事前に視察した現場が刺さりました。

そして、メインイベントの品評会受賞畳表のオークション。「全部買いたい!」と思いつつも、全国トップクラスの畳屋が集まるこの場では、1品競り落とすのがやっとでした。いや〜、皆さん本当に目が肥えてる!

体育館でテーブルを囲み大勢が議論するディスカッションの様子
体育館の床に並べられた受賞畳表を人々が見る様子
オークションにかけられる、品評会の受賞畳表たち。
受賞畳表の前でサムズアップする2人
僕も清田さんの畳表を落札することが出来ました。
長いヒゲが出た畳表と、ヒゲを短く整えた畳表の比較
こちらは中継ぎ表と呼ばれるもので、い草の真ん中で継いであり、倍の量のい草を使った高級品とされるものです。

④畳職人 vs い草生産者、本音の意見交換!

最後は、畳表問屋さんに移動して、展示された大量の畳表を前に、畳職人の僕 VS い草生産者の宮下さんで、サシの意見交換会!

・「理想の畳表って、どうあるべきか?」
・「職人目線 vs 生産者目線の違いは?」

途中から研修終わりの畳屋さんに囲まれながら、忖度も遠慮もなく意見をぶつけ合いました。一歩間違えれば大喧嘩?になりそうな場面もありましたが、本音で語り合えることが何より大切なんです。

宮下さん、ありがとうございました!突然無理に呼び出したにも関わらず、あの場で堂々と畳表バトル、衝撃的でした。そういえば、今年も宮下さんは品評会で入賞!おめでとうございます!!

畳表問屋で色紙を手に並ぶ乗本さんと宮下さん
い草生産者の宮下さんと。畳表を前に、本音の意見交換会でした!

行きも帰りも天候に悩まされましたが、なんとか無事帰還。今回の研修も学びの連続で、本当に刺激的な4日間でした!何より、畳業界の未来を語る前に、本気で自社業の繁盛も真剣に考えないといけないと痛感しました。

この貴重な経験に関わってくださった皆様、僕のわがままに付き合ってくれた仲間たち、特に道中の運転をして頂いた福田さん、神原さん、澤畠さん、吉谷さん、本当にありがとうございました!これからも、畳の未来を全力で考えながら楽しんでいきます!