畳の弾力、ちゃんと選べていますか? 〜用途に合わせた「ちょうどいい畳」のお話〜

乗本畳店では、お客様の使用目的や生活スタイルに合わせた畳作りを心がけています。今回は、畳の「弾力」に関するお話を少しだけ。

藁床と建材畳、何が違うの?

昔ながらの藁の畳床は、約40cmに積んだ藁をギュッと5cmまで圧縮して作られます。この圧縮された藁によって生まれる「硬くて柔らかい」弾力こそが、畳本来の踏み心地や座り心地を生み出します。

昔ながらの藁の畳床。藁を圧縮して作られた断面が見える
昔ながらの藁床。約40cmの藁を、5cmまでギュッと圧縮してあります。

一方、最近主流になっている建材畳床は、縫える程度の強度を持った合板+発泡スチロールでできています。畳表のクッション性だけに頼っているため、正直言って、硬いんです。その為、最上部にフェルト状のクッション材を入れて、踏み心地を調整するようにしています。

いろいろな畳床の断面を重ねて比べたところ
畳床の断面いろいろ。素材によって厚みも構造も変わります。

「柔らかければいい」ってわけじゃない

たとえば…

  • 家族団らんのリビングの畳は、程よく柔らかく
  • 柔道の畳は、投げられても怪我しないくらいフワフワ
  • 納戸や物置などでは、家具が沈まないように硬めに

といったように、場所や用途に応じて、最適な弾力を変えるのが最近の畳づくりです。

「畳が硬くてつらい」に応えた表替え

先日、お客様から「今の畳が硬くて使いにくいんです」とのご相談がありました。見てみると、新築に納品された建材畳にはクッション材が入っていなかったことが原因。本来、あとからクッション材を足すと畳が厚くなり、敷居より高くなってしまうため、表替えでの対応は難しいケースです。ですが今回の畳は「畳表1枚分薄くする」ことが可能だったため、約3mmのクッション材を仕込むことができました。

ちょっと補足
畳の工事には大きく3種類あります。「裏返し」は今の畳表をめくって裏面を使う方法、「表替え」は畳床はそのままに畳表と縁を新しくする方法、「新畳」は畳床ごと新しく作り替える方法です。今回は表替えで、長く使える畳床を活かしながら、中にクッション材を仕込んでいます。

建材の畳床。表面に糸目が並び、これからクッション材を重ねるところ
建材の畳床に、踏み心地を出すためのクッション材を重ねていきます。
建材床の上に、白いフェルト状のクッション材を被せていく作業
建材畳床に、フェルト状のクッション材を重ねたもの

仕上げには通常の倍以上の手間がかかりましたが、角の立ち上がりも美しく整い、なにより、お客様に「これなら気持ちいい!」とご満足いただけたことが一番です。

畳の断面。建材床の上にクッション層を重ねた構造が見える
畳の断面。建材床(合板+発泡)の上に、クッション材が入っています。
畳表をめくった断面。建材床とクッション材、縁の仕立てが見える
指で畳表の上から押すと、クッション層が沈み込む様子
指で押すと、クッション層がしっかり沈んで戻ります。これが“ちょうどいい弾力”です。

畳は「カスタム」できます

畳の素材は本当にさまざま。硬い・柔らかい、厚い・薄い、丈夫・軽量、高級・リーズナブル……お客様のご要望すべてに完璧に応えるのは難しいかもしれませんが、何を優先したいかをお聞きしたうえで、一番暮らしやすい畳をご提案させていただきます。

「この畳、ちょっと硬いな…」「こんな場所に合う畳ってあるのかな?」そんな時は、どうぞ遠慮なく乗本畳店までご相談ください。畳のプロとして、丁寧に、そして一緒に考えさせていただきます!