イグサと畳表の機能性

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肝心な部分だけコピペします。

イグサはレジオネラ菌に対しても抗菌効果を有しており、イグサの水抽出液においてMIC濃度で20mg/mlの抗菌性が認められた。またアセトン抽出液においてもMIC濃度で同等の20mg/mlの抗菌性が認められたが、エタノール抽出物では、レジオネラ菌に対する抗菌性が認められなかった。レジオネラ菌はレジオネラ症の原因菌で、1976年に米国フィラデルフィアでの原因不明肺炎患者より分離されたことから端を発して、現在日本を含めた先進国で社会問題となりつつある。レジオネラ症には肺炎を引き起こすレジ オネラ肺炎と,肺炎にならない自然治癒型のポンティアック熱の2つの病型が確認されている。レジオネラ症は入浴施設、特に循環浴槽といわれるフィルターで浴槽水を循環させながら浄化するシステムにおいて、しばしば感染・死亡例が報告されている。現在レジオネラ対策で主流であるのが、塩素殺菌法である。しかし塩素殺菌法は様々な問題点を抱えている。遊離残留塩素濃度は浴槽水中の体表皮由来有機物などと反応し、比較的短時間のうちに低下することから、濃度管理が困難である。これに加えて塩素自身がもつ刺激臭や泉質の変化、更にはアトピーなどの皮膚炎を増長することなどがいわれている。イグサの抗菌効果はレジオネラ菌や大腸菌などで認められていることから、塩素殺菌法に替わる安全性の高い新規微生物制御法となりうるのではないかと考えている。イグサの抗菌効果は熱安定性やpH安定性が高く、様々な泉質、泉温にも対応可能である。またイグサは栽培のロスが大きい作物であり、イグサを先刈りしたものや丈の短いイグサ、更には畳を作る際の切れ端でも利用可であり、廃棄されるイグサの有効利用にも大いに役立つものである。