弟子を迎えました

新年度とともに、新たな挑戦が始まりました。

4月1日から、正式に一人の弟子を迎えました。
しかも今回の弟子は、なんと大学を卒業したばかりの新卒女性!
この畳業界ではまだ珍しい存在かもしれませんが、
若くして畳の道に飛び込んできてくれたその覚悟、頼もしい限りです。

初日の修行は「かがり」地獄。
最初の課題は、畳表のほつれ止め処理、「かがり」の練習からです。
練習という事で、やる事は古ゴザの端を縛っては切って、また縛っては切って、ほどいてまた縛って…
ひたすら繰り返すこの工程。まずは手を慣らすところから始まります。
お疲れ様です。

2日目は道具作り!
新人の製作は畳を縫うための道具作りから始まります。
手当、いわば裁縫の指ぬきのような道具で、手のひらにつけて針を押すときに使う道具を作ります。
でも道具の無い最初の1個目は僕が実演しながら製作。
2個目からは自分で作ってもらいます。

続いては「糸筒」作り。
糸を収納するための道具で、古ゴザでつくります。
せっかくなので綺麗に作るため、ゴザの裁断から。
で、新しい包丁はそのままでは切れないので、包丁研ぎの基礎から指導します。
刃が研げたら古ゴザをどんどん切っていき、包丁に慣れてもらいます。
ある程度感覚がつかめたところで、本番用のパーツを作成。
古ゴザの端をかがって真っ直ぐに切り、縁を付け、小さな上敷が出来たらほぼ完成。
最後に畳糸をほぐして油を付けて終了です。

3日目は、自分専用の道具で座布団作り!
自作した糸筒に糸を入れ、今度は畳製作用の座布団を作ります。
途中までは最初に作った糸筒とほぼ同じ工程ですが、僕が用事で一時離れる時間があったため、弟子にはその間、またまた「かがり」の苦行に逆戻り…。
最初は丁寧に、次は綺麗に、そして速く!慣れるまで頑張れ〜!
その後夕方迄に完成した糸筒と座布団がこちらです。

弟子入り3日目でこの出来栄え。
座布団は一応隠し縫いです。
いやぁ、これはもう…
僕の教え方が素晴らしいとしか言いようがありませんね(笑)
本当にお疲れ様でした。

こうして3日目には一通りの道具が揃い簡単な基礎的作業工程は一通り教えました。
が、本当の技術は経験によって磨かれるもの。
明日からは、とにかく手を動かして、数をこなしてもらいます。
いよいよ 「縁付き古ゴザ」の量産です。
花見シーズンが終わるまでに何枚作れるか?もう終わっちゃうよ!

いや〜弟子の成長が本当に楽しみでとても良い刺激をもらえます。
もどかしい技術の言語化に悩みながらも、僕自身畳の技術をしっかりと次世代へ繋げていけるように、気を引き締めて頑張ります!