魂込めた作品を本日東京まで納品に行ってきました。
今回お客様のご注文内容はとにかく物凄く、目指すは百人一首の畳です。
挿絵とほぼ同じ畳が京都御所にもありますが、コレと同じ作りでのご依頼。
畳職人ならば誰もが作りたくても、なかなか作る機会にめぐりあえない至極の畳です。
単体で小さな半畳サイズなら何度か製作した事があるので、作り方は知っていますが、1畳サイズは初めてで、しかも同じ物が2枚です。
この畳は、
1、作業が複雑で、連日の長時間細かい作業が続きます。
2、単体の仕上がりが綺麗でも、並べて使うので柄合わせなど、同じ仕上がりにならないと、とても不細工に見えてしまいます。
3、更にこの畳、重たい藁の畳を2枚重ねて縫い合わせて作るので、単体の重さが70kg近くあり、運ぶ事はもちろん、作る時に裏向ける事すら1人では出来ません。
つまり、畳職人の心技体全てが求められます。
たかが20数年の畳職人歴の僕にそれら全てが万全に備わっている筈もなく、それでも現時点で出来得る全てを出し尽くして、準備から約1ヶ月間、急ピッチではありますが、本当に魂を削って仕上げさせて頂きました。
今回だけでレベルが20くらい上がったと思います。
本当に僕にご注文してくださったお客様をはじめ、製作に協力してくれた家族や畳屋仲間と、納期を後にずらして待っていただいた他のお客様方など、本当に全ての人に感謝申し上げます。
無事に納品が完了しました。
ありがとうございます。
そしてお客様には大変満足して頂きましたが、
「こんな立派な畳にはとても座れない。」
と、本来とは違う形で敷き並べ使われる事になった事はまた別のお話です。
この畳、ホント色んな意味で難しい畳でした。
コチラの畳が欲しい方はお気軽に、
「繧繝二方縁二畳台(うんげん にほうべり にじょうだい)宜しく!」
と乗本畳店まで御用命下さい。